パッチ上の品番表記が"501XX"から"501"に変わったBIG Eの中でも、ウエストベルト上のステッチがシングルステッチ（ウエストシングル）で、トップボタン横がV字ステッチのものは、比較的初期のものとされる。ここで紹介するのは、まだ水通しもされていないデッドストックではあるが、残念ながらフラッシャーとギャランティーチケットが欠品となっている。ウエストシングルのBIG Eであるが、パッチはいわゆるタイプものの表記になっており、ウエストシングルの中では比較的高年式のものではないかと推測される。
BIG Eになると若干テーパードしているという印象があるが、これについては真っすぐなストレートのように見える。
バックポケット
正方形に近い形のバックポケット。アーキュエイトステッチがイエローステッチになっており、ウエストチェーンのBIG EよりもXXに近くなっている。また、アーキュエイトステッチの形も、左右いびつでクセのあるウエストチェーンのBIG Eと異なり、XXに近い左右均等なものになっている。
赤タブ
両面タブで、"V"は左右の太さが異なる不均等Vになっている。
バータック
XXにあった隠しリベットは削除され、黒のカンヌキ留めが施されている。
トップボタン
メッキされた鉄製ボタン。ボタン横はV字ステッチの補強になっており、XXでのディテールが維持されている。
フロントボタン
トップボタンを除いて、ボタンは3つになっている。
フライボタン
"R"の左の線が長いいわゆる足長Rのボタンが用いられている。
トップボタン裏
写真では分かりづらいが、ボタン裏刻印は"W"。ウエストチェーンのBIG Eは数字の刻印のものが多いと思われるが、ウエストシングルではXX後期のアルファベット刻印が続いている。ウエストベルト上のステッチは、シングルステッチとなっており、V字ステッチと並んで初期のBIG Eの判別法の一つ。
リベット
銅メッキの鉄製リベット。若干青サビが見える。
リベット裏
アルミ製のリベット裏
コインポケット
コインポケットの生地は縦、向こう布の生地は横に使われているため、穿きこめば縮率の違いにより、コインポケットにイナズマと呼ばれるシワが入ることが予想される。コインポケット裏はシングルステッチ。
股部分
一部の最終期のものを除いて、XXでは股の部分にカンヌキ留めはなかったが、BIG Eからカンヌキ留めが施されるようになっている。股のカンヌキ留めがU字ステッチに重ねるのではなく、それからずらして施されている「ズレカン」になっており、BIG E初期（一部の最終XXを含む。）の特徴の一つとなっている。
アウトシーム・セルビッジ
ピンクに退色した耳がみられる。裾が上糸・下糸ともにオレンジになっており、重ね縫いをしている部分の幅も通常より狭いことから、裾はオリジナルではなく裾上げされている可能性もある。
生地
スラブ感・ネップ感ともにさほど強くはない。ウエストチェーンのBIG Eと比べてもほとんど違いは感じられない。
| 表記サイズ | ウエスト |
ヒップ | 前股上 | 後股上 | ワタリ | 股下 | 裾幅 | 総丈 |
| W27/L32 | 70 | 101 | 28 | 37 | 28 | 74.5 | 20 | 100 |