Levi's 501 (1982年2月製)

 1983年にコーンミルズ社が赤耳付きのデニムの製造を止めたころ、501も赤耳の付いていないものに変わっていく。この1本は、1982年と1980年代の赤耳でない501の中でも比較的初期に作られたもので、バータックのカンヌキが黒色の糸で行われていることから「黒カン」と呼ばれている。赤耳付きデニムの製造中止前から、既に耳なし生地での501の製造が始まっていたことが分かる。1970年台後半以降、オープンエンド紡績や革新織機の導入など、糸・織りともに製造の効率化と製品の安定化という形の品質の向上が図られたが、当時の人々は、ヴィンテージデニムブームの到来など思っていもいなかったであろう。

Levi's501(1982.2)
ティアオフタグ付きの紙パッチやフラッシャーのデザインなど、66モデルや赤耳と変わるところはない。
Levi's501(1982.2)_前面
シルエットは若干細身で緩やかにテーパードしている。
Levi's501(1982.2)_背面
Levi's501(1982.2)_紙パッチ

紙パッチ

Careスタンプ付きのティアオフタブが付いた紙パッチで、66モデルや赤耳と変わるところはない。
Levi's501(1982.2)_フラッシャー

フラッシャー

中心部分が赤耳時代から変更され、ウエストとレングスのサイズの選び方が記載されるようになっている。著作権取得年の記載はないが、1982年11月製のものには1982年の記載がなされるようになる。
Levi's501(1982.2)_ギャランティーチケット

ギャランティーチケット

"FOR OVER 130 YEARS"の表記。 
Levi's501(1982.2)_内タグ

内タグ

赤耳廃止後のものではあるが、縮率は変わらず10%である。
Levi's501(1982.2)_内タグ

内タグ

「02 82 555」の数字から、1982年11月555工場(バレンシア工場)製であることが分かる。
Levi's501(1982.2)_バックポケット

バックポケット

正方形に近い形のバックポケットで、アーキュエイトステッチの角度は浅い。
Levi's501(1982.2)_赤タブ

赤タブ

スモールeの両面タブで不均等"v"。刺繍ではなく、プリントタブである。
Levi's501(1982.2)_バータック

バータック(バックポケット)

非赤耳の中でも初期のものは黒色のカンヌキ止めが施されており、「クロカン」と呼ばれている。これよりもうしばらく後になると、カンヌキ止めのステッチの色が変わっていく。
Levi's501(1982.2)_トップボタン

トップボタン

亜鉛メッキの鉄製ボタンで、トップボタン横は平行ステッチ。
Levi's501(1982.2)_フロントボタン

フロントボタン

トップボタンを除いて数は3つである。
Levi's501(1982.2)_フライボタン

フライボタン

文字間にポツポツが付いた足長Rで無いボタン。先後のものと変化はない。
Levi's501(1982.2)_トップボタン裏

トップボタン裏

"555"の刻印で、ウエストベルト上はチェーンステッチ。
Levi's501(1982.2)_リベット

リベット

銅メッキの鉄製リベット
Levi's501(1982.2)_リベット裏

リベット裏

アルミ製
Levi's501(1982.2)_アウトシーム

アウトシーム

白色の糸でロックが掛けられている。裾はチェーンステッチ。縫い目は相当ズレており、洗えば相当ねじれが出ると思われる。
Levi's501(1982.2)_生地

生地

革新織機で織られた生地であるが、この写真の左には、相当長い織りキズが見られる。生地のザラ感は乏しい。リジッドの状態でも毛羽立ちが目立ち、ところどころにネップも見られる。

表記サイズ ウエスト
ヒップ 前股上 後股上 ワタリ 股下 裾幅 総丈
W27/L34 72 96 27.5 35.5 28 86.5 20 110