フロントがジッパーになったラングラーのデニムジャケットで、発売後は、ボタンフロントのモデル(111MJ)よりも人気を博したようである。タグから、1956年~1961年までに製造されたものであると推測される。完成されたデザインと評価されることも多く、人気の高いモデルである。

WRANGLER11MJZ_前面
フロントがジッパーとなっていることで着脱も楽であるし、デザインもスッキリとしている。
WRANGLER11MJZ_タグ

タグ

縦ベルでサイズ表記が右下に入ったタグ。○Rがないことから、1956~61年製のものと推測される。タグの上には、掛け紐が付けられており、機能的な考慮もされている。
WRANGLER11MJZ_胸ポケット

胸ポケット

Wステッチの入った胸ポケットを両胸に備える。写真にある左ポケット上のペンホルダーも昔からの仕様である。
WRANGLER11MJZ_ハンドウォーマー

ハンドウォーマー

左右の腰にはハンドウォーマーが付く。ハンドウォーマーが一般的ではなかった時代にあっては斬新だったのではないか。
WRANGLER11MJZ_ボタン

ボタン

縄文字の"Wrangler"の刻印入りのボタン
WRANGLER11MJZ_ジッパー

ジッパー

棒TALONが用いられている。
WRANGLER11MJZ_フロントプリーツ

フロントプリーツ

前立てはプリーツになっており、丸型のカンヌキ止めで補強されている。
WRANGLER11MJZ_アクションプリーツ

アクションプリーツ

腕の付け根部分はアクションプリーツになっており、腕が動かしやすく工夫されている。特にタイトに着たいときには、ありがたいディテールである。
WRANGLER11MJZ_内側

内側

左右で計6箇所にゴムバンドが取り付けられ、スタイルの維持と可動性の両立が図られている。色落ちし始めると、ヒダのような独特のクセが表に付く。ただ、切れたり取れたりしやすいのが、市場にあるものはなくなっているものも多い。
WRANGLER11MJZ_袖

袖はリベットで補強されている。この後になると、カンヌキ止めに変更される。
WRANGLER11MJZ_生地

生地

同時期のラングラーのデニム同様にスラブ感もネップ感も強く感じられる。写真では大きめの織りキズも見られる。